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プログラミング言語の中でも、エンジニアから圧倒的な支持を得ているのが「Java」です。
実行環境を問わずマルチプラットフォーム対応で、汎用性が高いJavaは様々な開発に採用されています。
そこで今回は、プログラミング言語「Java」入門編として、基本的な知識から、名前の似ている「JavaScript」との違い、特徴／メリット、注意点、プログラミングの流れや将来性まで解説していきます。
プログラミングを学びたい方から、どんな言語があるか知りたい！という方や、実際にJavaの学習に向けて動き始めている方に読んでいただきたい内容となっています。初心者でも分かりやすいよう解説していますので、ぜひ最後までご覧ください！
Javaとは、1995年にSun Microsystems社によって発表、1996年に正式版のJava1.0がリリースされた、C言語をベースに開発されたプログラミング言語です。Sun Microsystems社は2010年にORACLE社に吸収合併され、現在はORACLE社にJava関連の権利があります。
当初は、家電や電子機器に組み込むソフトウェアの開発言語として登場しましたが、その後改良を重ねながら、プラットフォームに依存しない、今日のJavaの姿へと進化してきました。
「Write once , run anywhere（1度書いたら、どこでも動く）」という言葉が有名で、その汎用性の高さから、幅広い開発に活用されています。ちなみに、Googleが開発に用いる3大プログラミング言語（Java、C＋＋、Python）の1つとしても知られています。
Javaと似ている名称で、よく混同されるのが「JavaScript」です。以下でそれぞれの違いを比較していきます。
【用途】
・Java
バックエンド開発やアプリケーション開発に用いらることが多く、その中でも特にAndroidアプリ開発に活用されているプログラミング言語です。
・JavaScript
Webページに動きをつける実装に用いられるプログラミング言語で、ユーザーの視認性や利便性を向上させることが可能です。
【実行環境】
・Java
Java開発の大きな特徴として、JVM（Java Virtual Machine：Java仮想マシン）が挙げられます。JVMは実行環境の中核を担い、Javaプログラムを適切に実行することができます。また、異なるプラットフォーム上で動作するJavaプログラムにおいて、共通の動作を実現する役割も担っています。
・JavaScript
主にWebブラウザ上で実行され、JavaScriptエンジンを内蔵しているブラウザ内で、コードが直接実行されます。
【言語特性】
・Java
静的型付け言語であるJavaは、変数の型は宣言時に指定され、その型に従ってコンパイラが型の整合性を検証します。これにより、コンパイル時に多くのエラーが検出され、安全性が向上します。
・JavaScript
動的型付け言語であるJavaScriptは、変数の型は実行時に決定され、実行時に型変換が行われます。これにより、柔軟性が向上し、プログラムの記述が簡略化されますが、タイプミスによるバグ発生のリスクが高まる傾向にあります。
多くのエンジニアから支持を得るJavaには、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか？この章で掘り下げていきます。
・プラットフォームに左右されず、どんなOSでも使える
Javaはプラットフォームに依存しない言語であるという特徴がありますが、これは、Javaのために擬似的に作り出された実行環境「JVM（Java Virtual Machine：Java仮想マシン）」が稼働しているためです。ORACLE社のホームページからファイルをインストールすれば、実行環境を構築でき、JVMがOSごとに出てくる差分を吸収することで、OSや機器の種類を問わず、様々な環境で利用が可能です。
・オブジェクト指向で作られている
Javaは、役割ごとに処理を部品化して、部品を組み合わせて1つのシステムを構築するプログラミングの考え方である「オブジェクト指向」の言語です。そのため、開発の全体像が掴みやすく管理が行いやすいため、柔軟かつ効率的な作業を実現しています。
・高い人気と需要／情報が豊富
プログラミング言語の人気の尺度を示す指標として知られる「TIOBE Index」が2024年4月に出した最新の統計結果だと、Python、C、C＋＋に次いで第4位を獲得しています。プログランミグ言語は現在200〜300言語あると言われており、その中でも2004年から上位5位以内に居続けていることから、その人気の高さが伺えます。
・コンパイル型言語のため処理が速い
Javaはコンパイル型言語のため、数多くのプログラミング言語の中でもトップクラスの処理速度を誇ります。コンパイルとは、プログラミング言語をコンピュータが理解し、処理・実行をするために、機械語に翻訳するための作業を指し、この作業を実行ファイルを作成する段階でコンパイルを行う言語をコンパイル型言語と言います。コンパイル型言語は、処理を実行する直前へのコンパイル作業がないため、処理速度が早いという特徴があります。
・セキュリティレベルの高さ
開発当初からセキュリティを考慮した設計が行われてきたJavaは、サンドボックスモデルといわれる、限定された領域でのみプログラムが動作することで、ウイルスなどの影響が外に及ばないようにするセキュリティの仕組みが導入されています。そのため、他のプログラミング言語と比較して安全性が高く、開発者からの信頼も厚いです。また、セキュリティレベルの高さから、銀行や証券会社など特に強固なセキュリティが求められるシステムにも多く活用されています。
・メモリの効率性
JVMには、使わなくなったメモリ上の不要なデータを自動で解放してくれる、ガベージコレクションというメモリ管理機能が標準装備されています。これによって、メモリを効率的に利用し、メモリ不足の問題を回避します。また、メモリ上の不要なデータを消す仕組みをJavaシステムに組み込む手間が省くことこもできます。
Javaには上記のようなメリットを持つ一方で、特定の開発には適さないなど、注意点もあります。
・小規模開発に不向き
Javaは機能性が高い、C言語をベースとした静的型付け言語であるため、比較的長文のコード記述が必要です。また、コンパイルやビルドのプロセスを経てバイナリを作成し、実行する必要があります。このような点が、小規模なプロジェクトにとっては過剰で負担になってしまう場合があるため、小規模開発には不向きと言われています。
・JVM（Java仮想マシン）が必要
OSや機器を選ばないといっても、Javaのプログラムを実行するにはJVMが必要です。JVMはメモリを多く消費し、起動時間が遅いというデメリットがあり、組み込みシステムなどのリソース制約がある環境では問題になることがあります。
Javaはプラットフォームの自由さ、処理速度の速さ、セキュリティの高さから、様々な開発に活用されています。
・基幹システム
Javaには豊富な標準ライブラリがあるため、それらを活用することで、大規模な基幹システムの構築が可能です。また、メリットにも挙げた「セキュリティレベルの高さ」から、銀行や証券会社、官公庁などの特にセキュリティの高さが求められる分野でも、活用されています。
・アプリケーション
Javaを使ったWebアプリ開発や、PCアプリなどJavaアプリは多岐に渡ります。特にAndroidアプリに関しては、Googleが提供するAndoroid自体がJavaで動いていることや、公式開発環境であるAndroid StudioがJavaを（現在ではKotlinも）主要言語としてサポートしているため、Androidアプリの開発で多く活用されています。
・Webサイト
Webサイトは複数の言語を組み合わせて構築されています。ユーザーが目にするフロントエンド側には、HTMLやCSSといった言語が使用され、処理を行うバックエンド側には、JavaやPHP、Rudyを使用することが多いです。
・IoTなどの組み込みシステム
1991年にJava開発が始まったきっかけには、家電製品やカー用品の進化によって当時使用されてたC＋＋のプログラムの書き換えが必要になりながらも、その作業が困難を極めていたという背景があります。そこでJavaが開発され、多くの組み込みシステムに活用されるようになりました。洗濯機や冷蔵庫、テレビ、カーナビなど私たちの生活に欠かせないものの多くにJavaが採用されています。このような、あらゆるものにインターネットが繋がる「IoT（Internet of Things：モノのインターネット）」の発展はJavaが支えてるといっても過言ではありません。
Javaプログラミングの基本的な流れは以下の通りです。
Javaインストール
Javaを使うためには、まずJava Development Kit（JDK）をインストールする必要があります。JDKにはJavaコンパイラや実行環境などが含まれており、公式Webサイトよりダウンロード可能です。
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開発環境を準備する
Javaを開発するためには、テキストエディタや統合開発環境（IDE）を使用します。有名なIDEにはEclipseやIntelliJ IDEAなどがあります。これらのツールを使うと、コーディング、コンパイル、実行が簡単に行えます。
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ソースコードを記述する
クラス、メソッド、変数などで構成されたJavaプログラムを、テキストファイルにJavaの構文に従って記述します。これらのファイルは通常、「.java」という拡張子を持ちます。
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コンパイルする
Javaプログラムは、Javaコンパイラ（javac）を使用してコンパイルされます。これにより、ソースコードがバイトコードに変換され、".class"という拡張子を持つクラスファイルが生成されます。
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実行する
コンパイルされたクラスファイルを実行するために、Java実行環境（JRE）が必要です。コンパイルされたクラスファイルはJVMで実行され、これによりソースコードが実行されますこれにより、Javaのプログラムが実行され、出力が表示されます。
ここまで、Javaの基本的な知識から、名前の似ている「JavaScript」との違い、特徴・メリット、注意点、プログラミングの流れや将来性まで解説してきました。
200~300言語存在するというプログラミング言語の中でも存在感を示すJavaは、効率性や速い処理速度を備えながら、実行環境の自由度さ、汎用性の高さなどから、幅広い開発に活用されています。そして、IoT開発とも相性が良いため、Java開発は今後もますます発展していくと予測できます。
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