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グリーンソフトウェアの重要性〜IT業界の地球温暖化対策への取り組み〜

みなさんこんにちは!最近買い物の時にエコバックを持っていくのを忘れて、少しショックだったMiyuです!

昔は買い物に行けば当たり前にレジ袋をもらっていたけど、いつからか貰わないのが当たり前になっていました。ちなみにレジ袋の有料化から3年経つらしいです…あっという間ですね。

そう言えば、この時から社会全体で環境配慮への意識が高まり、動きが加速したように思います。そこで、私のいる業界ではどんな取り組みをしているのだろう?と気になって調べてみると、IT業界の「見えない電力消費」の問題があることを知りました。ソフトウェアの開発や利用は、目には見えない電力の消費量が多く、環境へ負荷がかかっているというのです。

その問題の解決に向けて徐々に注目を集めているのが環境負荷の少ないソフトウェア開発を目指す「グリーンソフトウェア開発」です。みなさんは聞いたことありますか?お恥ずかしながら、私は初めて聞きました。

今回はそんな「グリーンソフトウェア開発」に焦点を当てて、グリーンソフトウェアとは何か?というところから、注目を集めるようになった背景、具体的な取り組みをまとめていきます。ぜひ最後までご覧ください!

世界的な温室効果ガス削減の動き

グリーンソフトウェアの話を理解するには、まず温室効果ガスについて、その問題と世界的な削減の動きについて理解しておく必要があります。温室効果ガスとは、大気を構成する成分のうち、温室効果をもたらすもの(引用:気象庁)で、以下のような種類が挙げられます。

・二酸化炭素:化石燃料の燃焼によって発生する

・一酸化炭素:窒素肥料の使用や製品製造などの工業活動で発生する

・メタン:家畜の腸内浄化やゴミの腐敗などによって発生する

・フロン類:冷蔵庫やエアコンなどから発生する

地球の本来の気温は−19℃くらいだと言われており、温室効果ガスの地球をあたためる効果によって、地球の平均気温は約14℃に保たれています。適量であれば地球上にあった方がいいものなのです。

しかし産業革命以降、化石燃料の燃焼や電気などのエネルギー消費が急増したため、温室効果ガスの排出が増加の一途を辿っています。その結果、地上平均気温の上昇が進み、海水面の上昇や生態系バランスの崩れ、食料・水不足が起きているのです。

この世界的な危機に、世界中で様々な会議や温室効果ガスへの対策がなされています。特に「カーボンニュートラル(ネットゼロ)」、「カーボンオフセット」などの言葉をよく聞くかと思うので、この2つについて解説しておきます。

・カーボンニュートラル(ネットゼロ)

カーボンニュートラルとネットゼロはほぼ同じ意味合いで使用されます。これは温室効果ガスの排出量をゼロにするという方法で、排出量から吸収量と除去量を差し引いて均衡にし、最終的に合計をゼロにする状態のことです

排出量を少なくすることが一番ですが、それが難しい業界もあります。例えば植林を進めることによってCO2の吸収量を増やすことが可能です。森林など大気中から除去または吸収される量を差し引いてゼロになり、バランスが取れている状態を目指すことで、カーボンニュートラルを実現できます。

・カーボンオフセット

カーボンオフセットは、カーボンニュートラルで達成できない温室効果ガスの除去を、別の方法で達成する手法です。オフセットは埋め合わせる、相殺する、補うという意味で、自ら温室効果ガスを削減できない場合、同等の量を別の温室効果ガス削減の方法で達成することです。これにより、排出量と削減量を相殺し、ゼロの状態にすることが出来ます。

このように、カーボンニュートラルとカーボンオフセットは、どちらも温室効果ガスの影響を軽減するための方法ですが、カーボンニュートラルは人間の力で吸収・除去する方法で、カーボンオフセットは経済活動で支援する方法です

グリーンソフトウェアとは

グリーンソフトウェアとは、ソフトウェアの開発や利用にあたって使用する電力による温室効果ガスの排出量を抑えた、環境負荷の軽減に焦点を当てたソフトウェアのことです

Accenture、GitHub、マイクロソフト、ThoughtWorksの4社とLinux Foundationによって共同で設立された新しい非営利団体「グリーンソフトウェア財団」には、世界の大手企業や日本のNTTデータ株式会社にも参画し、グリーンソフトウェアへの動きを加速させています。具体的なグリーンソフトウェアの取り組みは下記の通りです。

・エネルギー効率の最適化

コードを最適化することで、ソフトウェアが動作する際の無駄なエネルギー消費を抑えることができます。

・データ使用量の削減

クラウドコンピューティングを活用することで、必要な時に必要量のデータを取り出すことができ、不必要なデータ処理による電力消費を避けることが出来ます。

・省エネモードの推進

省エネモードを使用することでエネルギーを長時間維持しやすくなり、無駄な浪費を抑えることが出来ます。

・様々な媒体のデジタル化

紙やプリントなどの物理的な媒体によって発生する資源の浪費を、デジタル化することによって削減することが出来ます。そのため、そのものから発生するはずであった温室効果ガスの削減に繋がります。

なぜグリーンソフトウェアが注目集めるようになったのか

これまで人々の生活スタイルとテクノロジーの進歩により、温室効果ガスの排出元が変化してきました。前述した通り、産業革命以降、電化製品や自動車の普及やゴミ廃棄などによる排出が地球温暖化を加速化させてきました。

そこで2015年のパリ協定以降、脱炭素の取り組みが広がりました。その時、IT業界における電力消費を意識する必要が生まれ、取り組みも広まりました。なんと何もしないままでいるとIT業界の消費電力は2030年には全体の20%を超えると予想されていたのです

ソフトウェアのエネルギー消費は目には見えないため、あまり注目されてきませんでしたが、ソフトウェアも通信やデータ施設で大量のエネルギーを消費しており、そのソフトウェア自体の電力消費も見逃すべきではないと注目されるようになり、グリーンソフトウェアの概念が広まりました。

2015年以降の世界における脱炭素化の動きから、ソフトウェアのエネルギー削減も徐々に注目されてきているため、グリーンソフトウェアを開発する動きはより大きくなってくることでしょう。

グリーンソフトウェアの6つの原則

グリーンソフトウェアを開発する指針として、2019年に8つの原則が発表されました。そして2022年に改良され、6つの原則となりました。その内容と公式で紹介されている動画の内容の一部をまとめました。

1. カーボン効率(Carbon Efficiency)

効率の良いアプリケーションを構築し、CO2排出量をできるだけ最小限にする。

排出する炭素から得られる価値を最大限に高める。

2. エネルギー効率(Energy Efficiency)

電力は目に見えないが化石燃料を使用しているため、エネルギー使用量を出来るだけ最小限にする。

持続可能なソフトウェアを構築するために、電気の仕組みについて理解する必要がある。

3. カーボン意識(Carbon Awareness)

持続可能なソフトウェアとして、アプリケーションの効率性も大事だが、限られた資源を守るためには消費すること自体の削減も必要。炭素排出が高くなる場合、ユーザー体験度が高い方法をあえて提供しないことも重要である。

再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力など)で発電されるクリーンな電力が利用可能なときには多くの作業・活動を行い、化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)を燃やして発電される電力が主な供給源となる時には作業量を減らす。

4. ハードウェア効率(Hardware Efficiency)

内包二酸化炭素(製品や建築物などの製造・建設過程において排出される二酸化炭素の量)を出来るだけ最小限にする。

コンピュータを製造・廃棄するのには大量の炭素が排出される(内包炭素)且つ使用年度が存在するため、ハードウェア効率を高める必要がある。

5. 測定(Measurement)

総合的な炭素排出量を計測するために、Software Carbon Intensity (SCI)が推奨されている。その結果から得たスコアを元に、ソフトウェアのどの機能が炭素を強く排出しているか測定することができる。

6. 気候への取り組み(Climate Commitments)

温室効果ガス排出のためのゴールを達成するには、炭素を削減するための方法、気候コミットメント、カーボンニュートラル・カーボンオフセットへの共通認識を持ち、炭素削減の正確なメカニズムを理解する。

例えば、Misrosoftは自社サービスでこのグリーンソフトウェアの原則に沿って、既存のサービスに数行のコードを加えてシャットダウンするアップデートを行ったところ、開発環境のコストをほぼゼロに削減し、二酸化炭素排出量も削減することに成功しました。また不要な機能を排除することでコードを軽減し、保守性を向上することができ、環境だけでなくチームへのメリットももたらしました。

日本でも化石燃料の使用量が多いため、このグリーンソフトウェアの概念を浸透させることによって、世界の環境保護のゴールに貢献することができます。

またグリーンソフトウェアの目的は、オフセットによる他の環境保護団体に寄付を行い相殺することではなく、自らが排出するエネルギーの削減のため、他の力に頼らない自社改革を行うことです。そのため今まではカーボンゼロを実行していたソフトウェア業界も、CO2排出量に特化した数値とデータでガイドラインを基にすることで、持続可能を実現しやすくなります。

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似ている言葉「グリーンIT」とは?

ここまではグリーンソフトウェアについて深掘りしてきましたが、似ている言葉で「グリーンIT」という言葉があります。

グリーンITとは
省電力化など、地球環境への負荷を低減できるIT関連機器やITシステムなどの総称。また、ITを活用することで地球環境への負荷を低減する取り組み(および両者の総称)を指す場合もある。(引用:IT用語辞典

この言葉が普及している背景も、グリーンソフトウェアと同じく地球温暖化対策です。グリーンITには「ITのグリーン化」と「ITによるグリーン化」の2つの側面があり、エネルギー消費削減や地球温暖化防止の期待がされています。

【ITのグリーン化】

IT技術そのもの(サーバやPCなど)の消費電力の削減により、環境への負担を減らす取り組みです。

サーバやPCの消費電力の抑制

消費電力を抑えた半導体製品の活用

サーバの統合や仮想化技術活用、クラウド活用による機器の台数削減・利用効率向上

【ITによるグリーン化】

IT技術の活用により、業務や設備などを効率化することで、環境への負担を減らす取り組みです。

IoTやセンサーによる、企業ビルや住宅の電力利用の最適化

AIやIoTを活用して開発した物流システムによる輸送の省エネ化

テレワークなど、IT技術を利用した業務の効率化

業界別、カーボンニュートラル、カーボンオフセットの動き

・印刷業界

印刷業界は用紙やインクの製造、本の製本や加工、運搬、廃棄物処理など多くのCO2を排出しています。一冊の平均的な印刷物が約2〜3キログラムのCO2を排出するとされています。そのため森林保護や再植林プロジェクトなどのカーボンオフセットプログラムに資金を提供したり、売上の一部を植林事業に寄付するカーボンオフセットを実施したり、印刷工場に再生可能エネルギーを導入したりなど、企業ごとに様々なカーボンオフセットの取り組みを実施しています。

・航空業界

航空会社は飛行に伴い大量の温室効果ガスを輩出するため、全世界のCO2排出量の約2%を占めると言われています。利用者が航空券を購入する際に、追加オプションでカーボンオフセットを行うことができるシステムを導入しています。この資金は別の環境保護プロジェクトに使用されます。また従来の代替燃料として、廃食用油や油脂から作られ、CO2排出量を従来燃料より約80%削減できる持続可能な航空燃料(SAF)への期待が高まっています。既存燃料とこの再生材料を使用し、飛行機の燃料をエコにする動きが進んでいます。

・自動車業界

電気自動車やハイブリッド車の普及により、燃料の消費と排出を削減する努力が行われています。またエンジン技術や車体の軽量化なども改善されており、燃費を向上させることによりCO2排出を削減しています。2021年に英国グラスゴーで開催された「第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)」では、世界全体で2040年までに、CO2を排出しない車体を販売することを発表しました。

・エネルギー業界

CO2排出の少ないエネルギーの利用や再生可能エネルギーの利用を強化しています。脱炭素社会に向け、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの普及を促進したり、発電所や工場のエネルギー効率を向上させることで、エネルギーの消費と排出を削減しています。

このように、各業界・企業で具体的な温室ガス削減対策をもと取り組みがなされています。持続可能な取り組みは今や企業活動において必須となっています。

まとめ

世界的に温室効果ガスの削減の動きになり、IT業界の目に見えない電力消費問題にも取り組まないといけないフェーズへときています。世界的な大企業で誕生させた、グリーンソフトウェア財団を筆頭にその取り組みは広がりを見せています。

マイバックやマイ箸などの環境配慮が当たり前になってきた現代社会で、形として存在するモノ(商品)だけでなく、形として存在しないサービスについても、環境配慮などのサービス背景も踏まえて選ぶ時代が来ているかもしれません。

今回はグリーンソフトウェアに焦点を当てたお話でしたが、個人の生活で環境配慮について意識できることもたくさんあると思います。今回の記事が皆さんが地球温暖化問題や環境配慮について考える1つのきっかけになると嬉しいです。

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この記事を書いた人

Miyu

ミュージカルが好き。いつも頭の中で上演中。

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