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テストフレームワーク【Patrol】を使って、Flutter開発をより効率的に!

出典元:Patrol

アプリ開発においてテストは、「品質」と「信頼性」を確保する上で欠かせない重要な工程です。しかしFlutter開発では、複数のプラットフォームにまたがるUIの複雑さから、UIの動作確認を行うための適切なツールを見つけるのが難しいとされてきました。

そこで登場したのが、「Patrol(パトロール)」です。

本ブログでは、Patrol誕生の背景から現在に至るまでの進化の過程をたどりながら、その魅力に迫ります。

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Patrolの歴史と進化

【Patrolの誕生】

Patrolは、「Flutterに特化しながら、どのプラットフォームでも使えるテストツールが欲しい」という開発者の声から誕生しました。

Flutterでは元々、 flutter_testパッケージや統合テストなどのネイティブテストツールが提供されていましたが、これらは複雑なジェスチャーやアニメーション、システムレベルの動作など、実際の利用シーンを再現したテストを実施するには十分とは言えませんでした。

こうした課題を認識した開発チームが、シンプルかつ柔軟な新たなテストフレームワークの開発に取り組み、Patrolが誕生しました。

【初期の取り組み】

Patrolの初期バージョンは、Flutterの既存のテスト基盤の上に抽象化レイヤーを設けることで、UIテストをより簡単に実施できるようにすることを目的としており、その中でも特に、以下のような機能に重点を置いていました。

ウィジェットの動作確認の自動化

非同期処理の管理

ユーザー入力のシミュレーション

【成長のキーポイント】

Patrolは、Flutterコミュニティからのフィードバックを通じて急速に成長していきました。重要な成長の一つとして、「高度なジェスチャーのシミュレーション」があります。これにより、ドラッグ&ドロップ、マルチタッチ操作、スワイプアニメーションなど、複雑な動作のテストが可能になりました。

さらに、PatrolはiOSやAndroidのネイティブテストフレームワークとの統合も進め、ハイブリッドアプリの挙動検証も可能になりました。特に、プッシュ通知や外部URLの処理といったシステムレベルのインタラクションを伴うアプリでは、この統合が非常に役立ちます。

【最近の進化】

直近では、Patrol3.0がリリースされ、機能面で大きな進化を遂げました。

新機能の一つ「DevTools拡張機能」では、AndroidやiOS上のネイティブビュー階層を可視化/操作が可能になりました。開発者は画面に表示されているビューやそのプロパティを簡単に確認し、$.native.tap()のようなネイティブセレクターで活用できます。これは、FlutterがDevToolsの拡張性を高めていく中で先駆けて導入された、画期的な機能です。

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また、より簡潔な構文を実現するために patrol_findersが分離され、settlePolicyの更新によってテストの安定性と予測可能性が向上しました。

さらに、Flutter3.16への対応や、デバイスファームとの統合強化により、規模の大きなアプリでもより効率的なテストが可能になりました。

フレームワークを使ったアプリ開発における課題

Flutterのような柔軟なフレームワークを使ったアプリ開発において、しばしば課題となるのが、複数のプラットフォームに対応したシームレスなUIテストの実現です。

Flutter標準のテストツール(flutter_testやintegration tests)では、基本的なテストは可能ですが、マルチプラットフォームでのジェスチャー操作や、ネイティブ機能との連携、非同期のシステムイベントなど複雑なテストへの対応には限界があります。

特に難しいのが、ネイティブ機能との連携です。例えば、プッシュ通知の確認やデバイスの権限設定、ハードウェアとのやり取りといった場面では、既存のFlutterツールでは直感的にテストできる手段がありません。開発者は複雑なカスタムワークアラウンドや、別のネイティブテストフレームワークを併用する必要があり、その分メンテナンスの負担も増します。

また、Flutterの標準的なfinderやtesterは記述が冗長で直感的とは言えず、規模の大きなプロジェクトではテストスクリプトの保守が煩雑になります。テストが失敗した際のエラー報告も限定的で、DevToolsとの統合も不十分なため、デバッグに時間がかかり、完全な自動テストパイプラインの構築が難しいという現実がありました。

このように、クロスプラットフォーム開発のUIテストは非常に手間のかかる作業となっていました。こうした課題を解決するために生まれたのが、テストフレームワークのPatrolです。

Patrolは、Flutterのエコシステムと簡単に統合でき、簡潔な記述、ネイティブ操作のサポート、クロスプラットフォームの高精度なUIテストという特徴を持ち、開発者が抱えていたテストにおける課題に対応できるよう設計されています。

Patrolの特徴

【ネイティブ機能へのアクセスを再定義】

Patrolは、Flutterのテストコードから、ネイティブ機能を直接操作[1]でき、以下のようなことをシンプルなDartコードだけで実現できます。

パーミッションダイアログ、通知、WebViewとのやり取り

Wi-Fiのオンオフやデバイス設定の変更

【直感的なテスト記述】

ロケーター機能により、複雑だったテスト記述が簡単になります。

新しく短く読みやすいFinder構文[2]で、テストコードを簡潔に記述可能

Hot Restart[2]に対応し、テストの実行が高速かつ効率的

DevTools拡張機能により、Android/iOSのネイティブビューを視覚的に確認し、属性を調査可能

【本番運用を見据えた統合テスト】

Patrolは、Flutter標準のintegration_testプラグインを超える柔軟性を提供します。

テストごとの完全な分離(アイソレーション)やシャーディングに対応

信頼性の高い本番レベルの統合テストを実現

実行中にリアルタイムでログを取得可能で、デバッグも安心

【デバイスファームとの互換性】

Patrolはネイティブに近い操作性を持っているため、以下のようなデバイスファームでも利用可能です。

Firebase Test Lab

BrowserStack

LambdaTest

Marathon

emulator.wtf

AWS Device Farm

活用事例

Patrolは、アニメーションやマルチタッチジェスチャー、画面遷移を含む複雑なUIの動作確認に活用されています。特に、位置情報の許可や通知の処理など、ネイティブの機能を多く利用するアプリでは、その力を大きく発揮します。

また、PatrolはCI/CD環境との相性も良く、自動化されたテストを通じて複数のデバイスファーム上でも安定したパフォーマンスを維持できます。その結果、テストプロセス全体がスムーズでスケーラブルになります。

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現状の課題

初めて使う人にとっては、独自の構文やネイティブ連携の仕組みがわかりづらい

特定の端末に依存した高度なテストを行うには、追加のセットアップや専門的な知識が求められることがある

Patrolにはこのような課題がありますが、活発なコミュニティや充実したドキュメントが整っており、こうした課題を乗り越えるために役立つ情報や優良事例が、数多く提供されています。

今後の展望

Patrolは今後、FlutterアプリのUIテストにおける定番ツールになるでしょう。

Flutterの最新SDKとの連携強化や、デバイスファーム対応の拡充など、今後も多くの進化が予想され、PatrolはFlutter UIテストにおける主要なフレームワークの一つとして、地位を確固たるものにするでしょう。

まとめ

Patrolは、Flutterのテスト環境が抱えていた課題を解決する、革新的なソリューションです。直感的な構文、ネイティブ連携のしやすさ、豊富な機能により、複雑なテストも簡単に行うことができます。

アニメーション、ネイティブジェスチャー、システム連携など、様々な場面でのUIテストを効率的かつスムーズに行うことができるため、Patrolは現代のFlutter開発に欠かせない存在となるでしょう。

参考/引用元サイト

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Flutterデベロッパー

この記事を書いた人

James Mathew

Flutterデベロッパー

クロスプラットフォーム開発において、優れたユーザー体験を生み出すFlutter開発者です。幅広い経験から、多様なプラットフォームに渡って、シームレスで洗練された、統一感のあるプロダクトの開発に情熱を燃やしています。

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