現在、200~300言語あると言われるプログラミング言語の中で、1番人気を集めているのが「Python」です。
日本だけでなく、世界的にも人気のあるプログラミング言語のPythonは、コード記述がシンプルで開発効率を向上させれるだけでなく、プラグラミング習得者にとっても学習しやすく、初心者にもおすすめの言語となっています。
そこで今回は、人気No.1プログラミング言語であるPythonについて、Pythonとは?という基本的な知識から、プログラミング言語としての歴史、特徴や活用事例まで解説していきます。Pythonについて知りたい人や、何のプログラミング言語を習得すべきかの判断材料が欲しい方は、ぜひ最後までご覧ください!
Pythonとは、オランダ人出身のプログラマーであるグイド・ヴァンロッサムによって開発され、1991年にリリースされたプログラミング言語で、「パイソン」と読みます。
短いコード記述が特徴のシンプルなプログラミング言語で、Web開発やデータ分析、科学技術分野まで幅広い分野の開発に使用できる汎用性の高い言語として、その需要は国内外問わず高まり続けています。
TIOBE Index[1]によると、2024年3月最新の人気プログラミング言語ランキングで、C系の言語やJavaといった人気プロラミング言語の中で1位を獲得しています。
ちなみにPythonという名前は、ヴァンロッサム氏がファンだったという、イギリスの大人気テレビ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」(Monty Python’s Flying Circus)が由来と言われています。
Pythonは1991年の公開後すぐに人気が出たわけではなく、成熟期、改革期と段階を経てより良い言語へとアップデートし、そのポジションを確立していきました。
【1991年:誕生】
Pythonの誕生は1989年に遡ります。プログラマーであるヴァンロッサム氏が、クリスマス休暇中の暇つぶしの「趣味」として始めたプログラミングプロジェクトがきっかけでした。
1991年には、「シンプルな構文と使いやすさ」を実現するプログラミング言語として、初期バージョンの0.9.0のソースコードが公開されました。その後、0.9.xシリーズや、1.xシリーズがリリースされていきます。
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【2000年:成熟期】
2000年には、言語のコア機能に改善が加えられ、生産性の向上したPython2.0がリリースされました。Unicodeサポートの追加が、Python使用の国際化を進め、またガベージコレクションの改善により、メモリ管理も向上しました。
2001年には、Pythonに関係するオープンソース技術の進歩に尽力する非営利団体「Python Software Foundation(Pythonソフトウェア財団)」が設立されました。この団体は、知的所有権の管理や、コアディストリビューションの開発、資金調達など、Pythonコミュニティのサポートを使命に掲げています。
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【2008年:改革期】
言語や内部設計を再構築したPython3.0のリリースは、Pythonというプログラミング言語にとって、とても重要な転換期であり、課題へ挑戦する時期でもありました。Python3.0の目標には、言語のクリーンアップ、統一性の向上、および他の言語や規格から良い点を取り入れていくというものがありました。
しかし、再構築されたシステムにより、Python2.xシリーズとの互換性がなくなってしまったため、Python 3.xシリーズへの移行が必要になりました。Python3.xシリーズは、現在も使われているPythonの主流シリーズです。
Python開発は、少ないコードで書けるためミスが起こりづらく、開発効率が向上するという特徴から、世界中から人気を集めています。以下で詳しく見ていきましょう。
・シンプルかつ短いコード記述
このコード記述の特徴は、Pythonの最大の特徴ともいえます。短いコード記述により、開発者はPythonというプログラミング言語を習得しやすいだけでなく、コード記述に割く時間も短縮することができます。
また、シンプルに記述されたコードは、エラー箇所の発見も行いやすく、後からの修正も簡単に行うことができます。
・インプリタ型言語のため、動作確認が簡単
プログラムの実行方法には、人間にわかるような英単語などを組み合わせたコードを、実行前にコンピュータが理解できる機械語に変換する必要のある「コンパイラ型」と、プログラム実行時に1行ずつ実行する「インプリタ型」の2種類があります。
Pythonはインプリタ型言語のため、書いたコードをすぐに変換することができます。そのため、事前の変換作業なく、プログラムの動作を確認しながらのリアルタイムなコード記述が可能です。
・活用の幅が広い
冒頭でも述べたように、PythonはWebアプリ開発だけでなく、データ分析やWebデータの収集・解析といったスクレイピング、AI開発など幅広い分野に活用できる、汎用性の高いプログラミング言語です。活用事例については、また後の章でご紹介します。
・開発効率を後押しするフレームワーク・ライブラリが豊富
Pythonには開発効率をさらに向上させる、フレームワークやライブラリが数多く展開されています。中でも代表的なものを2つずつ上げていきます。
【フレームワーク】
・Django
Python開発のWebアプリケーションフレームワークで、高速で拡張性のあるWebサイトの構築をサポートします。
・Flask
軽量なWebアプリケーションフレームワークで、小規模なプロジェクトやAPIの構築に適しています。
【ライブラリ】
・NumPy
数値計算をサポートするPythonの基本的なライブラリで、多次元配列や行列演算を効率的に扱います。
・TensorFlow
Googleが開発した機械学習ライブラリで、ニューラルネットワークの構築や訓練、展開を行うための機能を提供します。
汎用性の高いプログラミング言語であっても、必ずしも得意ではない分野もあります。豊富なライブラリがあるので、開発可能ではありますが、他に適しているプログラミング言語があるため、あえてPythonを選ばない開発の例を以下に挙げていきます。
・高速処理を求められる開発
Pythonはインプリタ型言語のため、高速処理が得意なC系のコンパイル型言語と比較するとどうしても処理速度が遅いのは否めません。そのため、高速処理を求められる開発では、C系の言語を選択されることが多いと言われています。
・Webデザイン
バックエンド開発がメインのため、機能面では大きく力を発揮しますが、Webサイトの見た目などフロントエンドは実装することができません。そのため、Web開発にPythonを使用する場合は、フロントエンド開発にはHTMLやCSS、JaveScriptなどの言語を使用していく必要があります。
最後にPythonの活用事例を見ていきます。汎用性の高いPythonは、幅広い分野で活用されています。
・Webアプリケーション開発
Pythonが最も使われている現場は、Webアプリ開発と言われています。最初は海外で人気が高かったPythonですが、現在は日本でも人気が高まってきています。有名なPythonアプリの例としては、InstagramやDropboxなどが挙げられます。
・AI(人工知能)開発
私たちが1度は触れたことがあるだろう、検索エンジンの画像検索や音声認識は、Pythonによって開発が行われています。
AI開発は年々活発化し、小売業や製造業では従来の人間の作業をAIに置き換える動きも加速しています。今後も発展が期待されるAI開発の現場において、Pythonの需要も高まっていくと予想できます。
・データ処理/分析
Pythonのライブラリには、数値計算や科学計算・技術計算、グラフ操作などデータ分析のためのライブラリが豊富に揃っているため、データ分析の場面で多く活用されています。
・Webスクレイピング
Webサイト上から任意の情報を抽出するコンピュータソフトウェア技術であるWebスクレイピングに、Pythonが活用されています。
ここまで、Pythonの基本的な知識から、プログラミング言語としての歴史、特徴や活用事例まで解説してきました。
短いコード記述で効率向上できるだけでなく、不具合箇所の早期発見や修正の行いやすさといった特徴のあるPythonは、幅広い分野の開発に活用されています。
特に、AI開発は今後も成長が見込める分野のため、Pythonの需要は高まっていくと予想されます。
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