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Webサーバーの持続可能性

世界のデジタル化がどんどんと進んでいく中で、インターネットが気候変動に影響を与えている可能性はないでしょうか?

オンラインエコシステムに電力を供給するための環境フットプリントは増加の一途を辿っており、データセンターとWebサーバーは現在、世界中で年間200テラワット時以上を消費しています。これはオーストラリアやスペインなどの国全体の電力消費量を上回るものです。

では、どうすれば私たちの生活の基盤となっている「オンライン基盤」をグリーン化できるのでしょうか?

本ブログでは、インターネットインフラとその排出量の変化、持続可能性を推進するための主要なテクノロジーとトレンド、再生可能エネルギーと二酸化炭素の透明性に向けて移行するために、Webサイトの所有者、開発者、ホスティング会社が今日から取れる具体的な行動について説明します。

IT業界の温室効果ガスの排出量は、世界の約3.7%を占めており、これは航空業界の排出量に匹敵します。また、この排出量は2025年までに倍増すると予測されています。(出典:The Shift Project

そして、排出量の増加とともに、気候変動も加速しています。今後は「環境の持続可能性」を考えていく必要が生まれ、市場競争上の必須事項となりました。

私たちの未来はオンラインにあります。私たちが責任を持ち、開発者とユーザーとして環境に配慮した選択をすれば、持続可能なインターネットを実現することができるでしょう。技術スタック全体で協力することで、インターネットインフラは、気候変動ではなく、最終的に気候変動への対策を打つことができるのです。

インターネットの歴史と進化

(出典:TechTarget)

インターネットのエネルギー消費量の急速な増加は、止まるところを知りません。

2000年には、世界中のデータセンターの消費量は推定1,500億kW(米国の総電力需要の約1.5%相当)でしたが、2005年までにその割合は3%に倍増しました。それが2020年には、世界のデータセンターで4,000億kWh以上が消費されました。

15年間でエネルギー消費量は25倍に増加しました。このままIT業界の活動が増加し続けると、2030年までに、データセンターは世界の電力の8%以上を消費すると予測されています。これは、現在インドが使用している電力量に相当します。

IT業界の活動が本格化した初期の頃は、企業データセンターとサードパーティのWebホスティングプロバイダは、信頼性、規模、コンピューティング能力に重点を置いていました。サーバーは現代の基準からするとかなり非効率的でしたが、急増するインターネット需要を満たすことが優先され、環境への影響についてはほとんど考慮されていませんでした。

仮想化とマルチテナントWebサーバーの登場は、はるかに効率的なコンピューティングを実現しました。スマート冷却システムにより電力の無駄が削減され、Energy Star認定により、データセンターはハードウェアとインフラのアップグレードを通じてエネルギー効率を、段階的に改善できるようになりました。

Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloudなどのクラウドの大企業の急速な台頭により、持続可能性重視を念頭においた新世代のデータセンターが誕生しました。洗練された機械学習アルゴリズムにより、ワークロードと冷却が最適化され、再生可能エネルギーの調達も加速しました。Google、Facebook、Apple は、データセンターの運用に電力を供給するため、大規模な風力発電所と太陽光発電所を直接建設し始めました。

2018年時点では、Googleの全世界の事業の半分以上がカーボンフリーエネルギーで運営していました。そこから2021年には、電力消費の100%を再生可能エネルギーで賄うようになり、Microsoftも2030年までにカーボンネガティブになることを公言しています。

二酸化炭素の排出量を削減するためのテクノロジーは存在しており、あとはそれを広く採用することが必要なのです。

持続可能性への転換点

データセンターの効率性と再生可能エネルギーの導入は改善されつつあるものの、ほとんどのWebホスティング会社は、依然として化石燃料に依存しています。その中でも、中小規模のプロバイダは、環境の持続可能性を大きく改善するための資本や専門知識が不足しています。

Amazon Web Servicesのような大企業でさえ、膨大なリソースがあるにも関わらず、主に従来型のエネルギーで稼働しています。2021年時点で、AWSインフラのわずか12~15%しか再生利用可能エネルギーを利用していません。

また、それぞれのWebサイト所有者は、自分のサイトを動かすために必要なエネルギー源について、ほとんど把握できていないと言われています。理由は、ほとんどのWebサイトは共有サーバー上に存在しているためです。

IT業界全体のステークホルダーが、気候への影響について責任を果たさなければならない転換点に来ています。大幅に透明性を向上するために、二酸化炭素計算ツールが早急に必要になっています。Webホストが、進化するエネルギーミックス、カーボンオフセットの購入、地域の再生可能エネルギーの調達、データセンターの効率性に関する詳細な情報を報告することが理想です。Webサイトの所有者は、排出量の内訳を簡単に確認し、それに応じてプロバイダを選択できます。‍

例えば、GoogleのCloud Region Pickerは、各データセンターの再生可能エネルギーの割合を表示します。AmazonのAWSは、地域の電源構成データと二酸化炭素強度指標を公開しています。また、websitecarbon.comなどのWebサイトの二酸化炭素計算ツールは、トラフィック、ホスティング場所、その他の入力に基づいて排出量を推定します。

やはり問題は、IT業界にどのように導入し、全体に浸透させるかなのです。

Webホスティングの炭素計算

基本的に、Webサイトの二酸化炭素は、物理的なサーバとデータセンターから排出されます。では、炭素計算とは何でしょうか?

まず基本的なことですが、サーバーとは、Webサイトやアプリをホスティングするための強力なコンピュータです。そのため、プロセッサ、メモリ、ストレージ、ネットワークなどに電力を必要とします。また、これらのサーバーを収容する施設には、冷却装置、照明、バックアップジェネレータなどに、多くの電力が必要です。

特に、トラフィック量の多いWebサイトでは、需要に対応するためにアクティブなサーバーを増やす必要があります。使用するサーバーの数が増えるほど、地域のエネルギー網から引き出される電力も増えます。

ここで二酸化炭素排出量が問題になります。Electricity Maps(電力マップ)は、世界中のゼロ炭素の原子力や再生可能エネルギーから、高炭素の石炭やガスまで、世界各地の電源構成を示しています。当たり前かもしれませんが、すべての電気が同じように作られているわけではありません。

(出典:dodonut)

Webサイトの所在地によって、根本的な排出量プロファイルが決まります。選択肢を見てみましょう。

シリコンバレーのデータセンターは、ほとんどの電力を天然ガスから得ており、太陽光発電は需要の25%を満たしています。

太平洋岸北西部のデータセンターは、コロンビア川水系の恩恵を受けた水力発電を利用しているため、二酸化炭素の排出はほとんどありません。

デンバーのデータセンターでは、現在50%以上が再生可能なグリッドエネルギーを使用しており、その割合は増加しています。

ムンバイと北京のデータセンターでは、依然として二酸化炭素を大量に排出する火力発電に大きく依存しています。

ムンバイでホストされている一般的なWebサイトは、ページビューごとに30~40gの二酸化炭素を排出しますが、デンバーでは10g、オレゴンでは排出量がほぼ0です。この結果から、立地が持続可能性を左右しているとも言えます。

サーバーの効率、ワークロードの最適化、古いハードウェアの廃止など、その他の要因もWebホスティングの排出量に大きく影響します。すべては、データセンターの運営者とWebサイト所有者の選択に繋がります。

Google Cloud Region PickerElectricity Mapsなどのツールで強調されるように、再生可能な地域や効率的なプロバイダを選択することで、Webサイトはフットプリントを最小限に抑えることができます。

持続可能なインターネットへの実践的なステップ

真の持続可能性を実現するには、技術スタック全体で洞察を行動に移す必要があります。ここでは、主要なステークホルダーがインターネットの基盤をグリーン化できる、具体的な方法をご紹介します。

【データセンター/Webホスティングプロバイダ向け】

化石燃料の代わりに、風力や太陽光などの再生可能エネルギーに切り替えます。多くのプロバイダは、電力購入契約や公益事業のグリーンエネルギープログラムを通じて、既に再生可能エネルギーを調達しています。

新しいデータセンターを構築する際には、太平洋岸北西部や北欧地域のような、二酸化炭素排出のない電力が豊富な場所を選択します。

サーバーのワークロード配分を最適化し、効率的なハードウェアにアップグレードし、インテリジェントな冷却システムを導入してエネルギーの無駄を省くことで、運用効率を向上させます。

残りの化石燃料の使用については、認証された温室効果ガス削減プロジェクトから検証可能なカーボンオフセットを購入します。

二酸化炭素強度、地域電源構成、再生可能エネルギー割合などの持続可能性指標について、詳細な透明性を提供します。顧客が十分な情報を得た上で、環境に配慮した選択を行えるようにします。

【Webサイト所有者/開発者向け】

GoogleのCloud Region PickerElectricity Mapsなどのリソースを使用して、豊富な再生可能エネルギーで稼働するWebホスティング会社やデータセンターの場所を選択します。

既存のWebサイトを、GreenGeeksのような風力や太陽エネルギーだけでホスティングを行う、環境に優しいプロバイダに移行します。

Webサイトの二酸化炭素計算ツールを使用して排出量を見積もり、オフセットを購入します。代表的なものとして、Website CarbonやWebサイト用のGreenhouse Gas Calculatorなどがあります。

二酸化炭素分析をサイトの構築と運用に取り入れ、持続可能性を継続的に監視して最適化します。

Webホスティングプロバイダに炭素の透明性を提唱し、より環境に配慮した意思決定をしましょう。環境に優しいサービスにお金を支払うことは、グリーン電力へ一票投票することになります。

技術エコシステム全体で協力することで、インターネットインフラは気候変動ではなく気候変動への対策も進めることができます。解決策はすでに存在しているのです。必要なのは、それを大規模に実施するための、集団的な意志です。

サーバーレスコンピューティングの将来性

「サーバーレスコンピューティング」と呼ばれる新しいアプローチは、インターネットインフラ全体の持続可能性を大幅に向上させる可能性があります。

従来のサーバーは持続的に稼働し、実際の作業負荷に関係なく24時間365日電力を消費していました。一方、サーバーレスアーキテクチャは、特定の機能やアプリが呼び出されたときのみ、オンデマンドでクラウドコンピューティングリソースにアクセスします。

例えば、ブラックフライデーやクリスマス商戦の時期にはトラフィックが急増しますが、それ以外の時期は利用がかなり少ないECサイトを運営しているとします。従来のWebホスティングでは、ピーク時の需要に対応できるだけのサーバーを常に稼働させる必要があり、需要の少ない時期には余分な電力を消費していました。

サーバーレスアーキテクチャでは、事前に容量を過剰に準備する必要なく、リアルタイムでトラフィックを満たすために必要なコンピューティングリソースだけを動的にスケーリングできます。つまり、アイドル状態になっているハードウェアが消費する電力が大幅に減少します。

調査によると、サーバーレスシステムは、需要が不均一なワークロードのエネルギー消費量と二酸化炭素排出量を70~90%削減することができます。

(出典:Microsoft)

サーバーレスが成熟するにつれ、利用率に関係なく常時稼働している静的Webホスティングインフラ特有の無駄や非効率性を大幅に削減することが期待できます。世界規模の再生可能エネルギーへの移行と組み合わせることで、インターネットプラットフォームやクラウドサービスはカーボンニュートラルへの道を歩むことができます。コンポーネントはすべて存在しており、あとはエコシステム全体でスケールアップしていくだけです。

スタック全体の持続可能な革新

サーバーレスコンピューティングに留まらず、インターネットテクノロジースタック全体で革新的なアプローチが生まれ、持続可能性の向上を目指しています。‍

・エッジコンピューティング

大規模な集中型データセンターだけに依存するのではなく、よりソースに近い場所でデータを処理することで、コンピューティングを地理的にローカライズし、待ち時間、バックボーンの負担、エネルギー需要を削減します。

・グリーンデータセンター

特殊な液体冷却、再生可能エネルギーの調達、ワークロードの適応的分散、AI制御のインフラを導入することで、データセンターの二酸化炭素排出量を最小限に抑えることができます。

・仮想化

共有の物理サーバー上で複数の仮想マシンを実行することで、リソースの利用率が向上し、ハードウェアの必要性を削減し、エネルギーを節約できます。

・動的な電力管理

実際のワークロードに基づいて電力消費を分単位で最適化することで、容量の過剰準備やエネルギーの無駄な消費を回避します。

・Peer-to-Peer(ピアツーピア)ネットワーキング

分散型P2Pネットワークは、集中型サーバーではなくユーザーデバイス全体に処理とストレージのニーズを分散し、効率を向上させます。

これらの相互的なイノベーションをまとめると、環境への配慮がテクノロジースタック全体に浸透すれば、インターネットインフラがいかに、環境の持続可能性を根底から推し進められるかが分かります。

そして重要なのは、単一のソリューションだけでは十分でないということです。進歩のためには、すべてのステークホルダーがエコシステム全体の取り組みを調整する必要があります。

私たちの持続可能な未来は、インターネットアーキテクト、データセンターエンジニア、Web開発者、そして一般消費者が、持続可能性を共通の指針として未来に向けて前進することにかかっています。

テクノロジーの進化と透明性のある説明責任を通じて、私たちのデジタル革命は気候危機の原因ではなく、その解決をも加速させることができます。

インターネットの脱炭素化への道

(出典:Source: Africa launch pad)

私たちのオンライン生活を支える物理的な基盤を測定、最適化し、最終的には脱炭素化を目指す動きが、テクノロジー分野全体で加速しています。

2021年、Google、Meta(旧Facebook)、Microsoft、その他のインターネットインフラプロバイダを含む50社を超える大手テクノロジー企業が、炭素計算を標準化し、オープンな持続可能性測定基準を開発するために、Green Software Foundation(グリーンソフトウェア財団)を設立しました。

こうした動きは、Webサイト開発者、ホスティングプロバイダ、エンドユーザーが、情報に基づいた気候変動を選択を行えるようにするための鍵となります。

また、遅れをとっている企業に対して、プレッシャーをかけることにもなります。例えば、Amazonは最近、監視の目が厳しくなったことを受け、2025年までに再生可能エネルギーの利用率を50%にすると公言しました。

データセンターの設計、ハードウェアのスマート化、効率化アルゴリズムの革新も、持続可能性をより高めてくれるでしょう。ページサイズ、キャッシュ、エネルギー効率を最適化する、二酸化炭素に配慮したWeb開発の原則が主流になるでしょう。Ethereumなどのブロックチェーンネッワークは、分散型台帳とトランザクションを実行するために、100%再生可能電力への移行を進めています。

将来的には、インターネットインフラの環境基準は自動車業界と同じようになるかもしれません。

燃費評価が消費者の効率的な自動車選びに役立つように、炭素の透明性はテクノロジー業界の購買に影響を与える可能性があります。

理想のシナリオとしては、インターネットプラットフォーム、クラウドプロバイダ、Web開発者が最終的に最も環境に優しい選択肢を目指して競争することです。これらの選択により、インフラを急速にカーボンニュートラルへ導くことができます。

私たちが共有する持続可能な未来は、マウスをクリックするだけで実現します。しかし解決策が存在するだけではいけません。ソフトウェアエンジニア、プロダクトマネージャー、Webサイトの所有者など一人ひとりが、インターネットを環境に優しいものにする責任を背負うところから始まります。小さな行動を積み重ねていくことで、結果として大きな影響を生むのです。

結論

( 出典:WPDeveloper)

この詳細な調査が示すように、電力を大量に消費するインターネットインフラが、依然として世界の二酸化炭素排出量の大部分を占め、増加の一途を辿っていることは否定できません。

データセンターのエネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの戦略的な調達、残留排出量の系統的な相殺、持続可能性指標の完全な透明性の提供に加え、サーバーレスコンピューティングを導入することで、持続可能性への取り組みをさらに強化できます。サーバーレスコンピューティングでは、需要に基づいてリソースを自動的にスケーリングすることで、より効率的なリソース利用を可能にし、アイドル時間とエネルギー消費を削減します。

大手テクノロジー企業が道を示し、持続可能性を重視するスタートアップ企業が移行を加速させ、Webサイトの炭素計算ツールが解決策の一端を担うために必要な実用的なデータを提供しています。

環境に配慮したホスティングを選択し、サイトのフットプリントを最小限に抑え、透明性と測定可能な進歩を求めて声を上げることで、Webのグリーン化を果たすことができます。そう、私たち全員が影響を与えることができるのです。

私たちが集団としての責任を自覚すれば、小さく分散した行動も、雪だるま式に膨れ上がり、大きな成果を生み出すことができます。

私たちが知っているインターネットは人間によって構築されたものです。

私たちが望む、再生可能で、持続可能な繁栄したオンラインの世界を、私たちはともに作り上げることができるのです。

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この記事を書いた人

Aaqil Sidhik

持続可能性の普及活動を行い、問題解決のスキルを持つプロジェクトコーディネーターです。趣味でコーディングに挑戦しています。

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