スマートフォンが普及し、インターネットへの常時接続が当たり前になった現代社会では、頻繁に「Web〇〇」という言葉を耳にする機会が増えているかと思います。
そんな中でもWebアプリやWebサイトという言葉に触れる機会が多いかと思いますが、これらの単語は同じ「Web」が頭に付くため、よく混同されてしまいます。
そこで今回はWebアプリとWebサイトに焦点を当て、それぞれの違いについて解説していきます。日常的に触れる機会の増えたIT用語の中でも、特に触れる機会が多いと思われる「Webアプリ」と「Webサイト」について”知っているつもり”から、今回の記事を読んで皆さまの知識を深めていただけたら幸いです。
また、WebアプリやWebサイト開発検討中の方も、今回の記事でそれぞれの違いを抑え、開発目的に合わせて選択することで、利益を最大化できればと思います。JIITAKでのサービス紹介ページでもWebアプリ開発について取り上げてますので、よかったらそちらもご覧ください。
この2つはブラウザを介して利用することができるという共通点がありますが、機能の幅に差があり、それぞれが得意とする分野が異なります。
・Webアプリ
WebアプリとはWebブラウザを通じて利用できるアプリのことで、アプリのインストールが不要のため、Webブラウザ上の幅広い環境からアクセス可能な高い汎用性があります。ゲームやSNSのフォローやコメント欄、メッセージ機能など様々な機能をユーザーが活用できるようになっていて、ユーザーと動的な双方向のやり取りができるという特徴があります。そのため、リピーターを獲得するのに向いているといえます。
・Webサイト
WebサイトとはWebページの集まりのことで、テキスト、画像、動画などのコンテンツを閲覧するために制作されます。主な目的は情報提供であり、ユーザーが検索や閲覧を行う静的な一方向の情報発信が特徴です。マーケティングやSEO対策を活用することで検索エンジンでの表示や共有が増え、拡散が見込めるため、新規顧客の獲得に向いているといえます。
WebサイトとWebアプリは異なる目的や機能があるため、それらを理解した上で、開発の目的によって、どのような方法でユーザーに情報を届けるのが最適か考えていく必要があります。例えば、Webアプリは双方向な操作やデータ処理を重視し、Webサイトは情報提供や閲覧が主な目的となっていたり、ユーザーとのコミュニケーションやデータ処理のレベルにおいても異なります。以下にWebアプリとWebサイトの違う点を挙げて比較していきます。
【目的と機能】
・Webアプリ
ユーザーとの双方向の操作やデータの入力・処理・出力を行う、タスクの実行や機能の提供が主な目的。
・Webサイト
情報の提供やサービス等の紹介、コンテンツの閲覧が主な目的。
【ユーザーとのコミュニケーション】
・Webアプリ
データの入力や操作を行い、 ユーザーとアプリの双方向で行われる。
・Webサイト
ユーザーは主に情報を閲覧し、静的なコンテンツを読み取る一方向で行われる。
【データ処理】
・Webアプリ
ユーザーからのデータを受け取り、処理して結果を表示したり、データベースとの連携を行う。
・Webサイト
主に静的な情報、コンテンツの表示が中心で、データの処理や操作は限定的である。
【更新】
・Webアプリ
アプリの機能やデータはサーバーサイドで管理され、アップデートやメンテナンスが行われる。ユーザーは常に最新バージョンを使用できる。
・Webサイト
コンテンツの更新は手動で行われ、更新のためにサーバーへのアクセスや変更が必要。コンテンツの更新頻度はアプリよりも低い場合が一般的。
【ユーザー体験】
・Webアプリ
ユーザーに対してより柔軟な操作や個別化された機能が提供され、動的なユーザー体験を提供する。
・Webサイト
主に情報の閲覧に焦点を当て、一方向の情報提供を行い、一般的にWebアプリより静的なユーザー体験。
これらの要素により、WebアプリとWebサイトは異なる目的や機能を持ち、ユーザーとのコミュニケーションやデータ処理のレベルにおいても異なります。Webアプリは双方向な操作やデータ処理を重視し、Webサイトは情報提供や閲覧が主な目的となっています。
ここでは、開発の流れと使用言語について解説していきます。
【Webサイト開発】
Webサイトは主に情報の提供を目的としているため、フロントエンド開発が中心です。
要件定義
Webサイトの目的や機能やターゲット、デザインなどを明確にする。ユーザーの行動やニーズや競合サイトも分析する。
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設計
Webサイトの外観やユーザーインターフェースなどのデザインを設計する。
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フロントエンド開発
Webサイトは情報を見せることが重要になるため、フロントエンド開発は重要であり、以下のようなフロントエンド技術を使用して、Webサイトの見た目や動作を実装する。
・大枠:HTML
・見た目:CSS
・動き:JavaScript
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バックエンド開発
サーバーサイドの処理やデータベースの操作など、ウェブサイトの目には見えない裏側で行われる部分の処理を実装する。
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テストとデバッグ
開発したウェブサイトをテストし、バグを修正する。
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リリース・保守
Webサイトを一般公開する。リリース後も品質が高いWebサイトを保つため、改善や新機能を加えながら保守運用を行う。
【Webアプリ開発】
WebアプリはWebサイトよりも幅広く複雑な機能を使用することができるため、ユーザーには見えない部分の開発も重要になってきます。
要件定義
開発をする目的や機能や要求をまとめ、機能要件書を作成する。プロジェクトによっても異なるが、作業工程を決めるために、ターゲット、予算、人員、期間などを定める。
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外部設計
要件定義で決定した内容を基に、UI・UXを設計する。ユーザーがアプリを使用する際の全体的な体験を設計し、デザインツールでWebアプリの操作方法・画面デザインを設計する。
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内部設計
アプリケーションに必要となる細かい機能やデータベースやアルゴリズムなどを設計し、ユーザには見えない部分をプログラミングできる状態に落とし込む。またアプリケーションと外部システムの連携やデータの受け渡しを行うために、API(Application Programming Interface)が必要となる。
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開発
アプリ開発言語やフレームワークを使用し、Webアプリ開発作業を行う。Websiteで使用されていた、HTML、CSS、JavaScriptに加えて、さらに高度な機能を提供するReact、Angular、Vueの使用がより一般的。また、目に見えないバックエンド部分の実装がWebサイトと異なる点で、PHP、Pythonなどが使用される。
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テストとデバッグ
実装したプログラミングが正常に動作するかどうかのテストを行い、テストが終わり次第、アプリストアに申請をする。
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リリース・保守
アプリストアに承認された後、アプリがリリースされ、その後は品質向上のため、ユーザーからのフィードバックなどをもとに改良や保守運用を行う。
WebサイトもWebアプリどちらも、ユーザビリティとUXがとても重要視されています。それぞれどのような点が重要視されているのかを比較していきます。
【ユーザビリティ】
・Webアプリ
双方向のやり取りで、動的なため、使いやすさと様々な機能が期待通り実行されることが求められます。ユーザーフロー、操作の直感性、ユーザーが効率よくタスクを達成できるかどうかなどがユーザビリティの重要な要素となります。
・Webサイト
主な目的が情報提供やコンテンツ閲覧など静的な動作のため、ユーザーが迷うことなく目的の情報にアクセスできることが重要です。サイトの構成、ナビゲーションの明確さ、ページの読み込み速度がユーザビリティの重要な要素となります。
【UXデザイン】
・Webアプリ
ユーザーフローを視覚で捉え、シンプルかつ直感的な操作ができるよう設計し、ユーザーがアプリ内での操作を簡単に理解できるようにします。また、ユーザーが頻繁に利用することを考慮し、特定のタスクや機能をスムーズに実行するために設計されています。
・Webサイト
色、サイズ、フォント、画像の適切な選択を行い、情報の視覚的な見せ方を考慮します。また、情報の階層や構造を考慮し、重要な情報を目立たせる必要性、情報のわかりやすさ、コンテンツの配置などが重要です。明確なナビゲーションやサイトマップを提供し、ユーザーがサイト内をスムーズに移動できるようにします。
ここまでWebアプリとWebサイトの特徴や違いについて解説してきました。機能提供を主な目的としリピーターの獲得に向いているWebアプリと、コンテンツの閲覧を主な目的とし新規顧客獲得に向いているWebサイトなど、それぞれ得意としていることや機能・目的が違います。
それらの違いを理解した上で、プロダクト開発をどのように行なっていくのか要件定義をしっかりと行い、その上で適切な開発手法を選択していくことで、メリットを最大限に引き出せたプロダクト開発が可能になるといえるでしょう。
JIITAKでも、テイクアウトアプリ、入場・予約管理システムアプリなどの多数のWebアプリ開発の実績があります。この記事をご覧の方の中に、プロダクト開発を検討している方がいれば、ビジネスフェーズ・目的・予算感に応じて、最適化された開発チームを構築しますので、ぜひJIITAKにお気軽にご相談ください。